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  • TOYOFUMI KATAGIRI

治療と治癒

古代ギリシャ時代、医師たちは「医神」アスクレピオスのもとで仕事をし、ヒーラーたちはアスクレピオスの娘で「健康神」ヒュギエイアに仕えていた。アスクレピオス派は外部から「治療」を施し、ヒュギエイア派は内部から起こる「治癒」を促した。〜アンドルー・ワイル「癒す心、治る力」より。


オステオパシーのホリスティックなアプローチとは、このアスクレピオス派とヒュギエイア派のどちらに傾くことはなく、常に中道の立場にいる。余談だが「中庸」とは2つの事柄のちょうど真ん中を意味するが、「中道」とは全体を見て、そのベストな選択をすることをいう。


よって、オステオパシーでは患者に対して「治療」と「治癒」どちらか一方に傾くことなく、両方必要であるという考えをもとに徒手療法としてのベストな施術方針を決める。


「薬に頼ることなしに、自然治癒力で」というのは理想ではあるが、その自然治癒力がどうしようもなく低下してしまっている状況では、時間をかけることが大きなリスクとなる。薬はその自然治癒力が働き出すまでの、サポートをする役割であれば、むしろ躊躇なく使用するべきである。


ただし、ウイルスにしても細菌にしても、最後にトドメを刺すのは「人間の自発的治癒」である。鬱にしてもパニック障害にしても、最後に癒すのは薬ではなく自分自身の「治癒」のメカニズムである。


患者自身に、自分のカラダの自発的治癒力を知ってもらう。自分のマインドの仕組みを理解してもらう。そして「自分の命に対して責任」を持ってもらう。そのためにオステオパスはあらゆる角度からその人に寄り添うのである。


「治療」は「治癒」を引き出すきっかけにしかならない。薬や施術があなたを治しているのではない、「あなた」があなたを癒すのである。



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